地中熱利用促進協会 地中熱利用をお考えの全ての方にご協力いたします!

Geo-Heat Promotion Association of Japan

協会からの提言

東京都知事ヒアリング 要望書を提出

東京都では予算編成に際し各種団体からヒアリングを実施しています。

当協会では2025年12月11日に、令和8年度予算編成にあたってのヒアリングを受け、要望書を提出いたしました。
要望書に対する回答が、2026年2月2日にありました。

地中熱利用促進協会『要望書』 テキストで見る
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提出した要望書に対する
東京都からの回答
回答はこちら
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【公式】東京都財務局チャンネル:ヒアリングの様子を動画にて確認いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=KJEL_2FpD54
※地中熱利用促進協会ヒアリングは、1:16:15からです。

 

2025年12月11日

東京都知事 小池 百合子 様

特定非営利活動法人地中熱利用促進協会
理事長  笹田 政克

 

要  望  書

 脱炭素社会の実現に向けて有効な地中熱利用システムの普及に関して東京都にご協力をいただき、ともに活動を進めることができれば、多くの課題が解決できるものと考えております。ここでは普及課題として、1.地中熱の広報の強化、2.地下水の有効利用、3.再エネ熱の義務化、4.地中熱のインフラ化の4点について要望をいたします。

1.地中熱の広報の強化

 地中熱は省エネ効果とCO2削減効果、ヒートアイランド抑制効果などで大きなメリットがあり、東京都でも実績が増えてきているが、普及が十分に進んでいるとは言えない。その要因は認知度が低いことと初期コストが高いことにある。東京都には助成制度の拡充など支援制度の強化に取組んで頂いているが、現状で見ると都内での地中熱ヒートポンプの導入実績は185件にとどまっており、認知度向上が大きな課題である。協会でもシンポジウムや展示会などで様々な活動を行っているところであるが、東京都には引き続き広報活動の強化でご協力をお願いしたい。
 具体的には、導入に関係する市区町村の担当者及び民間事業者を対象にしたセミナーが有効であることから、協会とも連携しながら市区町村、建築関係の業界団体等に働きかけを行い、公共施設を所管する市区町村の担当部署、設計事務所、ディベロッパー、エネルギーサービス事業者、環境意識の高い企業の環境担当者等を対象にして、地中熱利用の最近の動向と、東京都の地中熱政策、最近の導入事例等を紹介する普及啓発セミナーの実施を重ねて要望するとともに、セミナーに参加した事業者、行政担当者の地中熱についての問題意識等を把握することにより、効果的な普及事業を展開していただきたい。

2.地下水の有効利用

 東京都では1960年代まで地下水の過剰な汲み上げによる地盤沈下があり、その対策として国が工業用水法、ビル用水法で規制を行うとともに、都は条例により揚水規制を実施している。こうした中で、脱炭素政策との関係で、大阪市において特区法に基づくビル用水法の規制緩和により、帯水層蓄熱の導入が実現され、現在も普及拡大に向けて、国に対して地下水採取(地下水の利用による地中熱利用)のさらなる規制緩和を提案している。
 東京都のような高度に都市化が進んだ地域では、利用できる再生可能エネルギーは限られているが、その中で地中熱には大きなポテンシャルがある。東京都のエネルギー消費量は業務・家庭部門合わせて428PJ(2023年)であるが、環境省のデータによると東京都の地中熱導入ポテンシャルは286PJある。この値は100m深まで地中熱交換器を埋設して利用できる地中熱エネルギーを表したものであるが、地下水を用いる場合も、ほぼ同程度のエネルギーが利用できるものを推定される。
 このポテンシャルを活用して帯水層蓄熱などにより地下水が持続的に利用できるようになると、脱炭素社会の実現に向けて大きなCO2削減効果が期待できる。今後国による地下水の揚水規制についての動向を見極めつつ、地下水の有効利用による地中熱の利用促進を是非検討していただきたい。

3.再エネ熱の義務化

 業務・家庭部門でのエネルギー消費の大半が最終的に熱として使用されている現状を考えると、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの導入においては、発電とともに熱利用に重点を置く政策が必要である。市場規模の小さい地中熱などの再エネ熱の普及拡大には、政策による市場の創出が大きな役割を果たす。
 東京都が令和7年4月から施行した戸建住宅やマンション、オフィスビル、公共建築物等の新築時に再エネ利用設備の設置を義務付ける制度の中に、地中熱などの再エネ熱利用設備も対象になっていることは、地中熱利用の普及拡大において大きな役割を果たすものと期待している。一方、現実には制度の対象として太陽光に注目が集まり、再エネ熱利用についてはほとんど認知されていない状況にあるのではないかと危惧している。本年度から開始された再エネ義務化制度において、地中熱についての実績と、業界の動向を把握した上で、この制度が地中熱の普及拡大に役立つものとなるよう検討していただきたい。

4.地中熱のインフラ化

 日本中どこでも利用可能という「普遍性」,地中の恒温性を利用した「安定性」,地中熱交換器部分の「長期耐久性」は,地中熱の再エネとしての価値そのものである。特に,長期耐久性を有する地中熱交換器はメンテナンスフリーでもあり,その法定耐用年数は40年,メーカー耐用年数は50年であり,100年寿命の検証まで行われている。つまり,長期耐久性を有しメンテナンスフリーでもある地中熱交換器は,インフラとして整備される価値がある。地区開発事業においてこの地中熱交換器をインフラとして整備し,複数の需要家群で熱を面的に融通する“日本初”の先進的な取り組みを,是非とも東京都で実現していただきたい。

以 上

 

東京都回答書:
回答日:2026年2月2日