平成24年度 環境技術実証事業 ヒートアイランド対策技術分野 (地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム) における実証対象技術 募集要領(追加募集)
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TRT事業者の関心表明募集を開始しました。
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地中熱利用促進協会主催 第1回地中熱設計講座を開催致しました
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再生可能エネルギーの急速な広まりが期待される現在、地中熱の正しい設計の必要性が高まっています。NPO法人地中熱利用促進協会では、第1回地中熱設計講座を以下のとおり開催いたします。 この設計講座では、今後、地中熱設備の設計に携わる方を対象に、性能予測ツール「Ground Club」を使った設計演習を行います。ふるってご参加下さい。なお、実習に用いるパソコンは、各自でご持参願います。 OS : Windows XP以上、解像度:1024×768以上、Excelがインストールされていること。 Ground Clubは、当日、演習バージョンをインストールします。過去に試用版のインストール歴のない マシンをご用意下さい。また、やや重い処理を行いますので、できるだけスペックの高いマシンのほう が望ましいです。 |
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1.開催期間と場所
2.講師およびカリキュラム
3.募集人員および申込方法
4.受講証明書
5.参加費
6.お申込み先
7.その他地中熱講座の案内
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節電に最も効果のある地中熱ヒートポンプ
平成24年7月24日 | |
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NPO法人 地中熱利用促進協会 | |
原発事故以降の電力不足の中で、今年も節電への対応に苦しい取り組みをされているのではないでしょうか。節電・省エネをお考えの皆様に地中熱を利用した節電法についてご紹介します。毎年、夏の午後のピーク電力への対応が、節電においては最も切実な問題です。夏の暑い時期にこれ以上の節電というと、あとは快適性を犠牲にして冷房を切ったりするしかないと思われている方も多いと思います。しかし、その選択肢は熱中症のリスクを抱えていますし、そこまで行かなくとも作業能率の低下という問題が残ります。
自然界には意外に身近なところに冷たい場所(冷熱源)があります。皆様の足下にある地中の温度は年間通して一定しており、ほぼその地域の年平均気温と同じです。この地中にある熱(地中熱)は、夏は冷熱源として、冬は温熱源として利用できます(図1)。 |
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地中熱を利用した エアコン(地中熱ヒートポンプ:図2)を使うと、通常の空冷エアコン(空気熱源ヒートポンプ)に比較して格段に少ないエネルギーで冷房ができます。その原理を簡単に説明します。熱は温度の高いところから低いところに向かって流れます。従って、空冷エアコンで室内の排熱をするためには、室外機から放熱する際の 温度を、外気温より高くする必要があります。その状況は、エアコンの室外機からの熱風を体感された方にはご理解いただけると思います。特に夏の暑い日は放熱のために、より多くの電力が使われることになります。一方、地中熱ヒートポンプでの放熱先の地中は、夏は冷えていますので、たやすく熱が逃げてくれ、少ないエネルギーで室内の排熱が可能になります。地中熱ヒートポンプは空冷エアコンより格段に少ない電力で冷房ができるのです。 この仕組みから、特に夏に多くの電力を消費する酷暑日ほど、地中熱ヒートポンプの節電効果が大きくなることを理解していただけると思います。冬の暖房も同じです。冬季には逆に地中の温度が気温より高くなっていますので、地中熱ヒートポンプによる暖房が効率的にできます。昨年は節電で石油ストーブが売れましたが、化石燃料の消費は地球温暖化対策だけでなく貿易収支の面からも問題です。地中熱のような国産の熱エネルギーを使っての節電が望ましい姿だと思います。 業務用の地中熱ヒートポンプと空冷エアコンの実績値を比較してみると、空調を地中熱にした場合、少なく見積もっても消費電力は3分の1程度削減できる見込みです(図3)。また、地中熱利用は、冷房排熱を外気に放熱しませんのでヒー トアイランド対策にも効果的です。外気が高温にならない分だけ、冷房の電力消費を抑えることができますので、これも節電に加算されます。日本地熱学会では地中熱利用が普及した際のヒートアイランド現象抑制効果も考慮すると、空冷エアコン利用時と比べ、冷房時の消費電力は半分程度になると試算しています。 |
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それでは、地中熱ヒートポンプの導入により、夏の電力のピークカットにどの程度の貢献ができるでしょうか。東電管内の業務用空調について見ると、夏の冷房需要が1,000万kWあります(図4)。地中熱ヒートポンプの導入による電力削減に、ヒートアイランド抑制効果による電力削減を加え半分が削減できるとすると、東電管内の業務用だけでも500万kW程度の節電効果になるものと考えられます。これに家庭用の空調も考慮し全国規模で予測してみると、東電の電力供給は全国の約3割ですので、日本全体では地中熱ヒートポンプの導入による節電効果は1,000万kWを大きく超える規模になるものと推定されます。 そうはいっても、地中熱の利用はまだわずかです。これは認知度が低いこともさることながら、初期コストが割高であることが普及の障壁となっています。地中熱利用による省エネ効果で、ランニングコストは大幅に削減できますので、長期にわたって利用すれば初期投資は回収できるわけですが、その回収年数が10年以下になってい る設備はまだ少ないのが現状です。しかし、2010年に地中熱は再生可能エネルギーとして国に認知され、国からの助成が受けられるようになりました。経済産業省による再生可能エネルギー熱利用の助成事業や、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス推進事業等では、地中熱ヒートポンプへの導入支援の補助金があります。新エネルギー導入促進協議会、環境共創イニシアチブが、2012年度の助成事業の窓口となっています。このほか、地域によっては地方公共団体からの助成も受けられます。 地中熱ヒートポンプは、今年5月に開業した東京スカイツリーでも、高効率な冷暖房システムの中で活用されています。ここ数年全国的に地中熱ヒートポンプの導入が増えてきています。これから地中熱利用の普及が進展すれば、再生可能エネルギーの熱利用分だけ、発電所の設備容量を削減することが可能になります。節電・省エネの有力な手段ですので、新築や設備更新の際に是非地中熱の利用をご検討ください。 |
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節電に最も効果のある地中熱ヒートポンプ (pdf版資料:235kB) |
平成24年7月 地中熱利用シンポジウム開催のご案内
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平成24年度 環境技術実証事業ヒートアイランド対策技術分野(地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム)における実証対象技術の公募を開始しました。
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地中熱利用促進協会主催 第6回地中熱基礎講座を開催致しました。
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再生可能エネルギーの急速な広まりが期待される現在、地中熱に係わる講習会の必要性が高まっております。NPO法人地中熱利用促進協会では、第6回地中熱基礎講座を以下のとおり開催いたします。是非、ご参加のご検討を宜しくお願い致します。 | ||||||||||||
1.開催期間と場所
2.募集人員および申込方法
3.講座テキスト
4.見学場所
5.受講証明書
6.参加費
7.お申込み先
8.その他地中熱講座の案内
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震災復興に取り組まれている皆様へ
平成23年6月7日 |
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NPO法人 地中熱利用促進協会 |
1.はじめに このたびの東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞いを申しあげます。 東日本大震災とそれに伴う原発事故を受けて、わが国のエネルギー政策の見直しが始められています。再生可能な自然エネルギーがこれからの日本のエネルギーを担う1つの柱として注目を集めていますが、これからご紹介する地中熱は、日本中どこでも安定的に利用できる自然エネルギーです。地中熱は昨年改訂されたエネルギー基本計画に初めて取り上げられましたが、まだ国民の皆様に十分認知されている状況にはありません。環境性に優れた地中熱の利用についてご理解いただき、地中熱を被災地の復興に活用していただけますよう、これまでこの分野で数多くの経験をもつ地中熱利用促進協会は、この提言を作成いたしました。 地中熱利用促進協会は、設立8年目を迎えたNPO法人で、国民の生活環境の向上に寄与することを目的にして、地中熱利用に関する知識と地中熱利用技術の普及促進の活動を行っています。環境関連の展示会への出展やホームページ等での広報、市民相談等を通じて、多くの方に地中熱の優れた特性を知っていただくとともに、シンポジウムや講習会の開催、施工管理マニュアルの作成等で、地中熱利用技術の普及に努めてきています。2011年5月18日時点での当協会の会員数は、団体会員125社、個人会員41名、大学・官庁等の賛助会員53名です(http://www.geohpaj.org/index.htm)。 この度の東日本大震災からの復興に向けて、当協会では震災復興のタスクフォースを結成し、これまでの経験と実績をもとに、将来の日本のモデルになるような自然エネルギーを使った持続可能な社会を実現するために、地中熱利用でどのような貢献ができるかを検討いたしました。この提言はそのタスクフォースでの検討結果を取りまとめたものです。当協会ではすでに4月19日に節電・省エネに向けた緊急アピールとして「切り札は地中熱ヒートポンプによる冷暖房です」を発表し、ホームページに掲載しておりますので、この提言とあわせてご活用ください。 2.地中熱とは
![]() ![]() このように気温が変化しても地温が一定であることは、昔から農村でもよく理解されており、野菜を一定温度の場所に貯蔵する「むろ」として、地中が活用されてきました(図2)。地中の温度が一定であることは住宅にも利用されており、私たちの先祖は縄文時代に竪穴住居に住んでいましたが、これも夏冷たく、冬暖かい地中熱をうまく取り入れた方法です(図3)。 3.地中熱の利用 年間通して温度が一定の地中熱は、いつでもどこでも利用できる状態にあります。現代の技術を使うと、この地中熱はどのように利用できるでしょうか。 地中熱ヒートポンプシステムは、一般住宅のほか、オフィス、店舗、学校、病院、宿泊施設、温浴施設、老人ホームなどの福祉施設、道路や駐車場の融雪施設などで、冷暖房、給湯、融雪に利用されています。特に、熱需要の多い病院、温浴施設、福祉施設は、地中熱の利用に向いており、また、最近では待機中の消防自動車の保温のため北海道の消防署での導入が進んでいます。 4.地中熱ヒートポンプの優れた点
5.地中熱の普及状況
6.他の再生可能エネルギーとの違い 地域では様々な自然エネルギーが利用できますが、それぞれに利用できる場所、時間帯の制約があるものが多く、利用形態も様々です。これらの自然エネルギー比較してみると、それぞれの自然エネルギーの特性が見えてきて、利用者側のニーズや利用場所との関係でエネルギーを選択することができると思います(表1)。 7.地中熱を利用したコミュニティ再生 昨年出された新成長戦略では、「グリーン・イノベーション」が成長分野のトップに挙げられています。環境・エネルギー大国を目指すグリーン・イノベーションでは、低炭素社会を実現するのみならず、新しい価値の創出により経済成長を牽引することが求められており、自然エネルギーの大量導入が大きな要素となることは確実です。そして、原発事故を伴う3月11日の東日本大震災は、この自然エネルギーに向かう流れを、大きく加速しました。 このイメージ図では、地中熱を利用したコミュニティの再生を描いています(図7)。建物が大都市のように密集せず、この図に描かれている程度の建物間隔でコミュニティが構成される場合、自然エネルギーである地中熱の利用で、それぞれの施設の冷暖房・給湯・融雪の熱エネルギーは、全て賄うことができます。しかし、地中熱の場合は、電気をつくることができませんので、コミュニティに必要なエネルギーを100%自然エネルギーで賄うには、住宅や建物を活用した太陽光発電や、近隣の立地条件のよい場所での風力発電や小水力発電との組み合わせが必要となります。さらに、バイオマスや太陽熱もそれぞれの特徴と地域の社会構造を考慮して組み合わせていけば、それぞれの地域で自然エネルギーのベストミックスができるはずです。 8.地中熱の取り出し方 最後に地中からの熱の取り出し方について説明します。地中熱利用ヒートポンプシステムでは、熱源を地中そのもの(土壌、地層、岩盤など)に求めるか、地中から汲み上げた地下水に求めるかで、システムの構成が異なります。地中そのものに熱源を求める場合は、図8にあるような地中熱交換器を設置します。地中熱は熱交換器中のパイプの中を流れる水(不凍液)を通して採放熱されます。このシステムはクローズド型(あるいはクローズドループ)と呼ばれます。もうひとつのシステムは、地中の帯水層中から汲み上げた地下水から採放熱するもので、地下水は外界の一部となっていますのでオープン型(あるいはオープンループ)と呼ばれます(図9)。熱源の利用が効率良く行われれば、地中熱の導入コストが下がります。 8.1.クローズド型 ・水平型熱交換器 8.2.オープン型 ・井戸水 ・農業用水 ・工業用水 9.おわりに 東日本大震災からの復興にあたって、創造的な復興が唱えられています。復興会議の原則4は「自然エネルギー活用型地域の建設」です。自然エネルギーを活用した創造的なエネルギーシステムを東日本につくるチャンスです。また、自然エネルギーを利用したスマートコミュニティの概念を実現できるチャンスでもあるはずです。被災地に再生されたコミュニティが、これからの日本を先導するエネルギーモデルとなったら素晴らしいと思います。自然エネルギーの活用においては、この提言で述べた地中熱もその一翼を担うことができると信じています。 NPO法人地中熱利用促進協会では、東日本の被災地復興への支援を続けていきますので、地中熱利用に関するご質問、ご意見がありましたら、協会事務局まで御連絡をお願いいたします。 |
震災復興に取り組まれている皆様へ(pdf版資料:826kB) |