地中熱利用促進協会
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地中熱に関心をお持ちの自治体の皆様へ
―「緑の分権改革」関連資料―

2010年1月20日
  NPO法人 地中熱利用促進協会

  平成21年度の第2次補正予算で総務省から募集が行われている「緑の分権改革」推進事業の中では、再生可能エネルギーを最大限活用する仕組みを、地方公共団体と市民、NPO等とで協働・連携により創り上げ、分散自立型の低炭素型社会の構築を目指そうとしています。協会は1月19日に総務省の担当者にお会いし、地中熱もこの事業のテーマとなることを確認しております。ここに掲載する一連の資料は、自治体が提案書を作成するにあたり参考にしていただけるような地中熱に関するデータおよび事例です。地中熱利用促進協会では、「緑の分権改革」推進運動を進める自治体の活動を支援いたします。
 地中熱は日本中どこでも利用でき、しかも安定的な供給ができる地産地消の再生可能エネルギーですが、わが国は西欧諸国及び中国、韓国に比べて、地中熱ヒートポンプの普及が著しく遅れている状況にあります(資料1)。当面、普及台数を諸外国のレベルに近づけるだけで、大きな雇用拡大の効果があり、技術が地域に定着すれば、エネルギー面で自立を目指す地域社会の構築に大きく貢献するものと考えられます。例えば、2005年のスウェーデンでの地中熱の台数(32万台)が我が国で普及することで、3万2千人の雇用を新たに創造できます。特に、熱交換器設置の土木工事及び空調機器等の設備工事では、地元業者への2万5千人の雇用創造となります。
 総務省から募集のあった今回の調査の内容は、「クリーンエネルギー賦存量・利用可能量の調査」とその活用にかかる「先行実証調査」です。地中熱はどこでも利用できる再生可能エネルギーですので、風力や小水力のような適地を求めるための調査を行わなくとも、利活用に進んでいけますが、より経済的な利用を考えた時には地下水に関する調査が必要となります。地中熱利用を目的にした地下水調査は、自治体レベルでみると青森県の一部地域で実施された実例があります(青森県地中熱利用推進ビジョン)。このような調査は地域における地中熱利用の基礎データとして活用できるものですので、「賦存量調査」の提案への1つのモデルとなります。
もうひとつの「先行実証調査」では、地中熱ヒートポンプを設置して、その地域の気候条件、地盤条件のもとでの運転実績のデータに基づき、省エネおよびCO2削減効果等についての評価を行うことができます。また、この実証調査を実施する中で、従事する技術者は地中熱利用の基本的な技術を身につけることができます。今回の総務省の事業における委託経費の使い方をみますと、機材はリース・レンタルとするとなっていますので、自治体での事業の実施には工夫が必要となりますが、今回の事業と類似した事業は、地中熱を対象にして、これまでに環境省のクールシティ推進事業や、地方自治体では川崎市の事業で行われており、地中熱ヒートポンプシステムの運転実績および環境に優れた特性を示すデータが収集されています。ここで、地中熱設備の設置に地方自治体の施設を利用している例として、環境省の事業では岩手県環境保健研究センター、長野県の立科温泉の温浴施設などがあり、自治体の例では川崎市の子供文化センターでの実証事業があります。これらの事業では公共の既存施設に地中熱ヒートポンプを導入し、各種の計測データを取得し、運転実績および環境の評価を行っています。
 「緑の分権改革」推進事業を、より民間の関与が大きいものにし、グリーンな産業基盤の構築を目指す場合は、それぞれの地域において多数存在する住宅メーカーの事業への参加が考えられます。地中熱利用設備を、展示用モデルハウスや仮設のプレハブに導入し計測データの取得を行うことができれば、気候条件、地盤条件の異なるそれぞれの地域での、地中熱ヒートポンプシステムの実証を行うことができます。参考までに、地中熱ヒートポンプを利用した住宅の普及状況を資料2に示します。なお、地中熱の利用は、住宅に限られてものではありませんので、これまでに地中熱を利用した建築物や融雪施設、プール等についての施行事例を資料3に示します。このような施設を用いることも、今回の「先行実証調査」で可能と考えられます。
 さらに地中熱の農業利用も、発展の可能性の大きな魅力のある分野です。グリーンハウスへの地中熱ヒートポンプの適用も、今回の「先行実証調査」の対象にすることができると考えられます。グリーンハウスへの地中熱の導入では、現在いくつかのタイプのものについて実証試験が行われている段階にあります。また、すでに地中熱ヒートポンプを実用化導入して花卉栽培を行っているグリーンハウスもあります(資料4)。
 地中熱利用の適用範囲はこのようにたいへん広いものがありますが、いずれの場合でも、地中熱利用設備の設置と計測データの取得により、環境に優れた点を実証するとともに、それぞれの地域の気候条件、地盤条件にあった設定で、再生可能エネルギーとして地中熱が、その能力を十分に発揮できることが示されれば、分散自立型の低炭素型社会の基礎ができるとともに、グリーンな地域産業の基盤ができるものと考えられます。地中熱はまだ認知度が低く、普及が進んでいないため、今回のような調査を利用してできることが沢山残されていますので、「緑の分権改革」を志向する自治体の皆様の活動をNPO法人地中熱利用促進協会は支援いたします。



資料1




資料2




資料3




資料4



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