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EFFSTOCK 2009
参加記
IGSHPA 2009
参加記
・第11回国際蓄熱会議(ストックホルム 2009.6.14-17)
EFFSTOCK 2009 第11回国際蓄熱会議に参加して
桂木聖彦
2009年6月14日(日)〜17日(水)にかけて、スウェーデンの首都ストックホルムで開催された、 EFFSTOCK 2009〔Thermal Energy Storage for Energy Efficiency and Sustainability〕、 「第11回国際蓄熱会議」〔The 11th International Conference on Thermal Energy Storage〕に出席してまいりましたので、 内容についてご報告いたします。
EFFSTOCKは、1981年の第1回ストックホルム会議以来3年毎に、蓄熱技術全般に関する会議として開催されているもので、 今回は世界34カ国から371名が参加し、日本からの参加者は34名でした。
会議のトピックスとしては、1)地中熱ヒートポンプシステム、2)帯水層蓄熱の技術的問題と解決方法、 3)ボアホール蓄熱、4)熱応答試験(TRT)の開発と分析、5)蓄熱理論と設計ツール、6)蓄熱応用モデルの開発等、 蓄熱技術に関するさまざまな内容に関する発表が行われました。
今回の国際会議出席にあたっては、(財)ヒートポンプ蓄熱センターが後援した調査団に加わることも一つの方法でしたが、 北海道大学大学院工学研究科の長野克則先生と、九州大学大学院工学研究院の藤井光先生より、個人的に登録した方が安いし、 かつストックホルムでの自由度が高いというご助言を賜り、インターネットを通じ個人で参加登録を行いました。
6/14(日)22時にストックホルムのアーランダ国際空港に到着したのですが、いきなり預けた荷物が届きません。 スカンジナビナ航空の担当者に確認したところ、フランクフルトの空港に荷物が置き去りにされているとのこと。 担当者は、明日午後にはホテルに届けるからとあっさりしたもので、洗面道具と着替え用シャツのはいったパッケージを渡されておしまいでした。(苦笑)
6/15(月)は8時30分にストックホルム国際会議場に到着。
早速登録をすませ、9時からのオープニングセッションに参加しました。
ストックホルム市ラルソン副市長の歓迎の挨拶に始まり、午前中は会議の内容や、蓄熱技術に関する総論について説明がありました。
発表の合間に会場の展示ブースを視察していると、JGDに実験用地中熱ヒートポンプを提供してくれている、 中国山東省・YATEER社の馬さんにお会いしましたが、YATEER社では中国からたくさんの顧客を同行してきたとみえ、 馬さんが通訳のためにかけずり回っていました。
この日の夜は、藤井先生のご紹介により、フィンランド地質調査研究所のJARMO チーフサイエンティストと、 韓国地質資源研究院のSHIM教授を交えた会食に参加させていただき、各国の地下熱利用の現状に関する話をうかがう機会に恵まれました。
6/16(火)は、帯水層蓄熱に関するさまざまな発表が行われました。 中でも、アーランダ国際空港における帯水層蓄熱を用いた冷暖房システムに関する発表が興味深く、 冬期間は駐機場の消雪も行っているとの話があったので、詳細に関する資料を送付してもらえるよう請求しました。
午後からは、雪氷に関するセッションがあり、昨年の洞爺湖サミットで用いられた雪冷房システムについての発表も行われました。
帯水層蓄熱や雪氷問題に関する発表を聞いてみると、JGDがこれまで行ってきた事業や研究は、 こうした国際会議で発表するに値する内容であることを改めて強く認識しました。長野先生や藤井先生からも、 次回の会議では是非帯水層蓄熱を用いた消融雪技術に関する発表を行うべきとのご助言をいただきました。
この日の夜は、ノーベル賞受賞者が晩餐会を行うストックホルム市庁舎での夕食会が開かれました。 食事の内容もノーベル賞受賞者と同じメニューとのことで、男性はダークスーツ、女性はドレス着用の正装での出席が要求されました。 夕食会は19時に始まり、終了予定時刻はなんと翌日の午前1時。登録順での着席となったため、右隣と右斜前がスペイン人。 正面がフィンランド人。左斜前がドイツ人。左隣がフランス人と、全くのアウェー状態での会食ではありましたが、 日本における地中熱の広がりだけでなく、サッカーの話をすると全員が食いついてきてくれたので、 時間をもてあますことはありませんでした。スペイン人の女性研究者は、村上春樹の小説が大好きとのことで、 新作1Q84について質問攻めにあいました。
ストックホルム市庁舎の夕食会場
この時期のストックホルムは23時を過ぎてやっと暗くなります。 スウェーデンと日本の時差は7時間。22時くらいになるとさすがに疲れがでてきたので会場を後にしましたが、 残った人たちは、黄金の間で始まったダンスパーティを翌日まで楽しんだとのことでした。
6/17(水)は、世界各国における蓄熱技術の広がりに関するセッションの他、地下蓄熱のモデリングに関するセッション、 そして地球温暖化対策に関するセッションが開かれましたが、笑ってしまったのはシリアからスウェーデン工科大学に留学している学生の発表で、 地球温暖化によって北欧の人々は冬の寒さから少しでも逃れることができるので 、地球温暖化は悪いことばかりではないといった内容には苦笑が拡がりました。
この日の午後は、ストックホルム大学東洋言語学科で日本語を教えている、リンデル・グンナルさんにお目にかかりました。
市内のさまざまな場所をご案内していただいた後、ご自宅にまでお招きいただき、日本人の奥様と3人のお子さんと一緒に、 スウェーデンの家庭料理をご馳走になりました。
スウェーデンの面積は日本よりちょっと大きい449,964m
2
(日本は377,835m
2
)ですが、人口はわずか924万人です(日本は1億2700万人)。
それまでわずか2日強の滞在中ではありましたが、電車代、タクシー代、食事代の高さに驚いていたので、 日本とスウェーデンとを比較してどちらが生活しやすいかうかがったところ、スウェーデン人として暮らしてしまえば、 スウェーデンは個人の権利というものをとても大切にする国で、税金は高いけれども公共交通機関や医療や学校はただなので生活しやすいとのこと。 ただし物価が高いのは事実なので、基本的に外食はしないとのことでした。
夏至を間近に控え、街の至る所で夏至祭の準備が行われていました。 夏至には火を囲み、短い夜を踊り明かす風習が北欧各地にあるそうです。 長く暗い冬の反動で、人々は当然の権利のように、暮れぬ夕べを楽しむわけで、 子供達もあたりまえのように22時過ぎても屋外で遊んでいました。
今回、国際蓄熱会議に出席し、あらためて私たちJGDグループは、自分たちの持っている技術と経験について自信を持っていいと感じました。
長野先生、藤井先生ともにおっしゃっていましたが、地下熱に関する研究開発においては、日本は決して遅れているわけではなく、 世界の先端を進んでいるようです。しかしながら、地下熱を利用した冷暖房や省エネ技術の普及といった観点から見ると、 空気熱や太陽熱の普及率が高く、欧州各国と比較してまだまだそのスピードは遅いことを改めて実感させられた次第です。
そういった状況ではありますが、地下熱を利用した消融雪技術については、JGDグループの技術、 実績はどこの国に出しても恥ずかしくないものだとの確信を得ました。
今後は、情報発信の機会を得るためのアンテナをより一層高くし、 自分たちの技術に自信を持って発表していかなければならないと強く感じた次第です。
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